明けましておめでとうございます。
2025年の新春を迎え、謹んでお慶び申しあげます。
さて昨年は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、イスラエルとイラン・ヒズボラ間における中東情勢の緊張など地政学的リスクが増大し、国際社会の分断が一層深刻化した1年となりました。
その結果、インフレ圧力やエネルギー価格の高止まり状況が続き、企業活動や国民の暮らしなど社会経済動向に大きな影響を与えました。
加えて、今年1月にはドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に返り咲きますが、「米国第一主義」を掲げる彼の外交政策が今後の世界情勢、ひいては日本国内の経済にどのような影響をもたらすのか、先行きの不透明感は依然として強いままとなっています。
一方で昨年10月、鳥取県輩出の石破茂代議士が内閣総理大臣に就任されるといった大変喜ばしいニュースもありました。同月に行われた衆議院選挙では与党過半数割れという厳しい結果となり、船出から難しい舵取りとなっていますが、地方に活力を与える政策や国難を乗り切る政策を積極的に打ち出し、日本経済の回復、成長に取り組まれることを切に願っています。
2025年は、団塊世代が75歳を迎え、後期高齢者が大幅に増加する超高齢化社会、いわゆる「2025年問題」の年に当たります。この問題は、社会保障費の大幅な増大といった問題にとどまらず、あらゆる場所で様々な影響が起こると予想されています。特に企業活動においては、事業承継、労働力確保が進まず、大変深刻な問題を引き起こすといわれています。
当地の中小企業では既に若年層の採用活動に苦慮しているといった声が増え、労働力不足による売上の機会損失など事業活動の継続も危ぶまれる状況になりつつあります。
このようなことから商工会議所は、人手不足に対応したデジタル化・省人化による生産性向上等の中小企業支援をはじめ、YEGの事業を通じた「シビックプライド」の醸成、街なか観光資源の発掘・磨き上げ、鳥取駅前の活性化など、郷土の魅力向上や若年層人材の地元定着に向けた取り組みを進めているところです。
現代社会は、グローバル化やデジタル技術の急激な進展によって産業構造や消費者の価値観がめまぐるしく変化しており、企業も既存事業の変革や新たな企業価値の創出が求められています。商工会議所はこの変化に柔軟に対応し、未来に向けた地域のあるべき姿や企業活動について最適解に導くことができるよう取り組んでいく所存です。
今年の干支は「乙巳(きのとみ)」。「乙」は木、「巳」はヘビ。神様の使いであるヘビが脱皮し成長を繰り返し、木のように広がることにちなみ、「これまでの努力や準備が、実を結び始める」ことを意味します。物価高騰などで厳しい経営環境下での努力や挑戦が実を結び、業績が好転・安定することを期待しています。
結びに、くれぐれもお身体にご注意をいただき、皆様が健康で幸せな一年を過ごせますよう祈念し、新春のご挨拶とさせていただきます。
鳥取商工会議所 会頭
鳥取瓦斯株式会社 代表取締役会長 児嶋 祥悟